発泡プラスチック断熱材とは

発泡プラスチック断熱材とは

断熱材には素材の種類やその形状で多くの種類があり、それぞれに固有の特性をもっています。一般に住宅で使用されている断熱材は、大きくは発泡プラスチック断熱材と繊維断熱材の2つに分類されます。繊維の断熱材が細い繊維の間に空気を閉じ込めているのに対し、発泡プラスチック断熱材は、独立した小さな気泡の中にガスを閉じ込めて断熱性能を発揮しています。

発泡プラスチック断熱材は、素材別に次の4つに分類できます。

1. ビーズ法ポリスチレンフォーム
ビーズ法ポリスチレンフォームはEPS(Expanded Poly-styrene)とも呼ばれ、ポリスチレン樹脂と炭化水素系の発泡剤からなる原料ビーズを予備発泡させた後に、金型に充填、高温の水蒸気で加熱することによって約30倍から60倍に発泡させて成形した断熱材です。一つ一つの発泡粒子の中に独立した気泡構造を持ち、水や湿気を通しにくく、軽量で加工性と施工性に優れており、金型成形で形や厚さを自由に選ぶことができます。


ビーズ法ポリスチレンフォーム

PIC会員団体 : 発泡スチロール協会(JEPSA)

2. 押出法ポリスチレンフォーム
押出法ポリスチレンフォームはXPS(extruded poly-styrene)とも呼ばれ、ポリスチレン又はその共重合体に発泡剤及び添加剤を溶融混合し、連続的に押出発泡成形したもの、若しくは押出発泡成形したブロックから切り出した板状の製品です。
建築用及び住宅用の断熱材や畳用芯材として広く使用されており、吸水性が小さく軽量で耐圧縮性が大きいため、基礎や土間床断熱にも使用されています。


押出法ポリスチレンフォーム

PIC会員団体 : 押出発泡ポリスチレン工業会

3. 硬質ウレタンフォーム
硬質ウレタンフォームは、ポリオール成分(ポリオール・発泡剤・整泡剤・触媒・難燃剤等を予め混合したもの)とポリイソシアネートを反応、発泡させた断熱材です。
代表的な製品として、各種面材と一体成形したボード状の断熱材と、現場で発泡機によるスプレーまたは注入する現場発泡品があります。より難燃性を付与した製品として、ポリイソシアヌレートフォームがあります。


硬質ウレタンフォーム

PIC会員団体:ウレタンフォーム工業会

4. フェノールフォーム
フェノールフォームは、フェノール樹脂に発泡剤と硬化剤を混合し、発泡・硬化させた断熱材で、製造方法によりレゾール型とノボラック型に大別されます。
国内で多く使用されている製品は、レゾール型で、ポリエステル不織布・加工紙等の面材の間で発泡させて成形した面材付きのものです。高い断熱性能の他、耐薬品性・熱硬化性樹脂のため耐熱性・難燃性にも優れている等の特長があります。


フェノールフォーム

PIC会員団体:フェノールフォーム協会

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